全校礼拝 ルカによる福音書14章11-19節 「謝ること」 | 夙川学院中学校・高等学校

2018-06-08 全校礼拝 ルカによる福音書14章11-19節 「謝ること」

 

2018年6月8日(金) 全校礼拝が行われました。

宗教主事の樋口進学院長が、
ルカによる福音書14章11~19節 「謝ること」 と題して、お話をしてくださいました。

今日読んでいただいた聖書の物語は、イエスが話された「放蕩息子のたとえ」という話です。
長いので、今日は途中まで読んでいただきましたが、有名な話なので皆さんも聞かれたことがあると思います。ある人に二人の息子がいましたが、弟の方がお父さんから財産を分けてもらい、それを全部遊びに使ってしまって無一物になった、という話です。

この弟は、食べる物に困った時にもお父さんのことを思い起こして、お父さんに全部正直に話して心から謝ろうとして家に帰りました。そしてお父さんに、先ほど読んでいただいたように言って謝った、というのです。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』それを聞いたお父さんは、腹を立てたのではなく喜んで、赦してくれただけでなく大ごちそうをしてくれた、というのです。

何か間違ったことをした時、悪いことをした時、約束を破ってしまった時、私たちはどうするでしょうか。まず考えることは、何とかごまかそうとする、そのために嘘をついてしまうということではないでしょうか。正直に話して謝るということは、なかなか勇気のいることです。

先日の日大と関学のアメリカンフットボールの試合で、違法なタックルをして、関学の選手にけがを負わせた日大の選手は、記者会見の席で自分のした過ちを正直に言って謝罪しましたが、とても勇気のいることだったと思います。しかし、この態度は多くの人に非常に好感を持たれたと思います。

最近よく読まれている本に『君たちはどう生きるか』というのがあります。この著者は、吉野源三郎という人でもう80年以上も前に書かれた本です。そんな昔の本が今またブームになり、漫画にもなっているそうです。

この主人公は、コペルくんという旧制中学生の生徒です。コペルくんというのはあだ名で、彼のおじさんが天文学者のコペルニクスからとったあだ名です。コペルくんには、北見君、水谷君、浦川君という仲良しの友達がいました。この中学校には、たちの悪い上級生がいました。特に北見君は、上級生ににらまれていました。そこで四人はある約束をします。それは、一人が上級生にいじめられた時には、名乗り出て一緒に制裁を受けよう、という約束です。

そしてある雪の日に、北見君は上級生に言いがかりをつけられて殴られます。それを見ていた水谷君と浦川君も仲間だと言って名乗り出ます。コペルくんも見ていたので名乗り出ようとするのですが、怖くなって足が動きません。そうこうするうちに三人は、上級生に乱暴されました。コペルくんは何度か名乗り出ようとするのですが、どうしても出ることができなくなります。そうこうするうちに授業の鐘が鳴って、上級生たちは引き上げていきます。そして、乱暴された三人は、肩を組んで行ってしまいました。

コペルくんは、とうとう三人の前に出ることはできませんでした。友達を裏切ってしまったという後悔の念に襲われ、夜も寝ることができず、とうとう病気になってしまいました。コペルくんは、最初言い訳をしようと思いました。じつは、あの現場を見ていなかったのだ、と。しかし、それは嘘になってしまいます。

そこでコペルくんは、一番信頼していたおじさん(お母さんの弟)に相談します。するとおじさんは、正直な気持ちを手紙に書いて送ることを提案してくれました。そしてコペルくんは、言い訳をするのでもなく、ごまかしたり嘘を書くのでもなく、正直な気持ちを書いて、心から謝ったのです。それを読んだ三人は、その手紙を喜んでくれ、後日コペルくんの家を訪ねて再び友情が保たれた、ということです。

先ほどの放蕩息子の話でも、コペルくんのことでも、なにか間違ったことや悪いことをしてしまった時、また約束を破ってしまった時は、言い訳したり、ごまかしたり、嘘をついたりせずに、正直に言って謝ることが大切です。それは、非常に勇気のいることですが、そのことによって本当に信頼が回復すると思います。また、放蕩息子のお父さんが大喜びしたように、神が喜んでくれると思います。

 

 |