全校礼拝 ローマの信徒への手紙8章28-30節 「万事が益となる」 | 夙川学院中学校・高等学校

2018-09-14 全校礼拝 ローマの信徒への手紙8章28-30節 「万事が益となる」

 2018年9月14日(金) 全校礼拝が行われました。
 宗教主事の樋口進学院長が、ローマの信徒への手紙8章28-30節 「万事が益となる」 と題して、お話をしてくださいました。

 人生には、自分の計画通りでないこともあります。そのようなとき、自分の目指していたことは違うと言って、受け入れたくないと思うかも知れません。しかし、自分の思っていない事態になってもそれを受け入れるならば、そこから新しい道が開けてくることがあります。大事なことは、与えられたものを受け入れると言うことです。

 人生には、自分の意志でないのに受け入れなければならないことがあります。それは、自分が生まれてきたことです。私たちは、自分の意志で生まれてきたのではありません。芥川龍之介の小説に『かっぱ』というのがありますが、そこでカッパは生まれるときにお腹の中で、お前は生まれたいか、と聞かれると言うことがいわれています。今の世の中は暮らしにくく、いやだと思えば、生まれたくない、と言うことができるというのです。しかし、現実にはそんなことはありません。私たちは、自分の意志とは関係なく、この時代に、日本に、それぞれの両親の元に生まれてきたのです。これは、受け入れるしかないのです。

 しかし、このようにして生まれてきたことを、神によって与えられたものとして、受け入れるのです。私たちは、自分で決められることももちろんありますし、決めなければならない場合もあります。しかし、自分で決められないこともあります。あるいは、自分の望んでいない事態になることもあります。そのような時、たとえ自分の望んでいなかったことでも、受け入れるということが大切なことです。そして、それが神から与えられたものだと受け入れるならば、自分の望んでいないことでも神が良きに導いてくださるのです。

 先ほど読んだ聖書のローマの信徒への手紙8章28節に、「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。」とありました。ここでは、神は万事(すべてのこと)を益(良いように)としてくださる、と言われています。ローマの信徒への手紙は、パウロという人が書いた手紙ですが、これはパウロの実際の経験から出た言葉です。

 パウロは、初期のキリスト教の伝道者でした。彼は実に多くの地方に伝道し、キリスト教を広く伝えました。パウロのお陰でキリスト教が世界の宗教になった、と言ってもいいくらいです。彼は、綿密に計画を立てて伝道したのですが、しかし計画通りに行かなかった場合も多くありました。ある時は、北の方に行く計画をしていたのですが、何かの差し障りが起きてそちらに行くことができずに、逆の方に行かざるを得ないこともありました。そして、最初の計画を諦めて、別の方向も神によって与えられたものと受け入れて、そちらに行くと、そちらで思わない成果が得られたと言うこともありました。この「万事を益としてくださる神」ということは、そのようなパウロの実際の体験から出た言葉なのです。

 私たちは、時には、とても辛いこと、苦しいことが与えられることもあります。そのようなときも、それを受け入れるならば、神が万事を益としてくださるのです。パウロは、神は万事を益としてくださる、と言いました。自分の考えていたことと違う事態になっても、その事態を受け入れ、それを神に与えられたものと受け止めるときに、神は万事を益としてくださるのです。パウロは、そのことを実際に何度も体験しました。

 私たちの人生に於いても、私たちの計画通りに行かないこともあると思いますが、そのことも神によって与えられたものだと受けいるれならば、神は万事を益として下さることを覚えたいと思います。

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